背景
北海道産の新鮮な活貝(ホタテ、北寄貝など)は、国内外で高い評価を得ています。2024年、北海道庁の主導により、シンガポール政府による活貝輸入認可の取得を受けて、成長著しいアジア市場、特にシンガポールおよび台湾における本格的な市場開拓に取り組むこととなりました。
現地消費者への認知度向上、新規販路の構築に加え、厳格な品質管理・物流体制の構築や、飲食店・バイヤーとの関係づくりなど、多岐にわたる課題解決が求められました。
戦略・取組
本事業では、まず現地の衛生基準に準拠した衛生証明書の取得とテスト輸送を実施し、北海道産活貝の高い鮮度・品質を維持できる体制を確認しました。
また、シンガポール中心部の有名日本食レストランや高級ダイニングと連携し、北海道産活貝を使用したスペシャルメニューを期間限定で展開。一般消費者に向けた試食イベントを開催し、現地で「本物の北海道の味」を体感してもらいました。
現地有力バイヤーを招いた意見交換会・商談会も実施しました。バイヤーや飲食店事業者のリアルな声や評価、具体的なニーズを収集し、今後の商品開発・販促活動に活用できるフィードバックを得ました。
さらに、インフルエンサーや現地メディアも招請し、SNS・Web記事等を通じて北海道産活貝の魅力を発信。Traverse Asiaでは中国語に堪能なスタッフが、現地パートナーや消費者とのコミュニケーションや現場運営をサポートし、スムーズな事業推進に貢献しました。

結果
フェア開催期間中、多くの消費者や飲食店関係者から「また食べたい」「新鮮で日本らしい食体験ができた」など、味・鮮度・食感すべてにおいて高い評価を獲得しました。
特にホタテは現地の日本食通から絶賛され、継続的な取扱いについて具体的な商談に発展したケースもありました。北寄貝については認知度が高くなかったものの、独特の見た目や応用性が高く評価され、多国籍料理や新メニュー開発にも期待が寄せられました。
本事業を通じて、現地バイヤー・飲食事業者との新規ネットワークを構築できただけでなく、物流面や現地消費者の嗜好など、今後の戦略策定に活かせる貴重な知見を得ることができました。
北海道庁様からも、本事業を通して道産水産物の新たな可能性を実感いただき、今後の海外展開に向けた重要な一歩と評価いただいています。

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